1. 教育理念

1.1 機械機能工学科の教育理念

これまでの技術はともすると大量生産や重厚長大に偏り,人間と共生・共存する生き物や自然さらには地球環境を考えず,人間のためのみの利便性や快適性を主に追求してきました.その結果,資源の枯渇や地球温暖化等の問題が地球的規模の危機として叫ばれるようになりました.次世代の技術者には,これらへの反省を踏まえて,これまでの技術を踏襲するだけではなく,あらたなる技術の道をも模索していくことが求められています.

機械機能工学科では,地球的視野から科学技術の現状を捉え,人間環境や感性までを含めた機械工学と人間性の調和に向けた新たな技術の姿を探り,以下の素養を備えた技術者を育成することを創設当時からの教育理念としています.

モノとの対話
人間のみのための独善的な機械工学の探索ではなく,地球的視野に立って機械工学の必要性を常に見直せる技術者としての倫理観および責任感を備えること.
行動力
現象・事象を自ら能動的に考え,分析し,そして行動へ移すこと.

この教育理念を念頭にして,本学科のカリキュラムは,座学である講義科目と,実験・実習・演習,また工場見学,社会人やOBによる先端技術特別講義など各種の実学を含めて1年次から3年次まで継続的に学習意欲を高められるように構成されています.更に,2004年度よりJABEEに対応するため学科内に2つのコースを設置しました.

  • ??応用コース (JABEE対応教育プログラム)
  • ??基盤コース

この2つのコースは共に学科内にあることから,教育理念は同一としますが,学習・教育到達目標はコースによって異なっています.「応用コース」では,①工学技術が地球環境に与える負荷を認識できる,②生態系と共生・共存を無視して独走することがないように,技術者倫理を自覚できる,③国際的に通用するコミュニケーション基礎能力が身につくことを目標としており,「基盤コース」では,教養または専門の科目をより多く自由に選択でき,幅広い工学の教養が身につくことを目標としています.「応用コース」と「基盤コース」の選択は2学年次終了時となっていますが「応用コース」を選択しない場合は自動的に「基盤コース」となります.

1.2 機械機能工学科における「応用コース」の目的と現状

機械機能工学科の「応用コース」は,教職員と学生が一丸となって科学技術の現状の認識を,特に,機械工学を中心として相互に深め,そして,「人間と自然」さらには「人間と地球」の共生・共存のための柔軟な技術の姿の探索に向けての教育・研究を展開し,社会の変化を見据えて新しい事態に対応できる能力,さらには,倫理観と責任感を持った自律的で創造性豊かな技術者・研究者の育成を目指しています.

つまり,人間社会と技術全般にわたる広い視野を備え,さらに,社会に対する責任感・倫理観を持った柔軟な技術者・研究者を養成するため,一連の講義の他に設計・実験および体験学習等を主体とした体験科目・創成科目を通して機械工学の基礎的知識やその応用を習得し,技術者として自らを磨き育てる“知識と姿勢”を養成することを「応用コース」の目的としています.

この「応用コース」は,2006年度にJABEEの審査を受審し,2007年5月に認定を受けました.この「応用コース」は,2006年度にJABEEの審査を受審し,2007年5月に認定を受けました.この結果,2006年度12名,2007年度27名,2008年度33名,2009年度45名,2010年度47名,2011年度46名,2012年度34名,2013年度55名の方が,既に「応用コース」を修了しております.

JABEE認定コースの履修生は以下の事項に示す「応用コース」の学習・教育到達目標を常に認識し,それぞれの科目に示す学習目標を達成しなければなりません.また,「応用コース」を修了するためには従来の卒業に必要な条件(卒業要件)に加えて以下の要件を全て満たす必要があります.

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